幼馴染の春菜・1

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僕には春菜という幼なじみがいます。春菜とは幼稚園から小中高と一緒で、仲は良かったり、たまに喧嘩してると周りからは「また夫婦喧嘩してる」なんて冷やかされたりする関係でした。
それが変わったのは高二の2学期、卒業後の進路を考え始めた時期でした。僕自身は大学に行くんだろうなとなんとなく考えていたのですが、春菜は大学か専門学校か悩んでいるようでした。さらに春菜の友達から「春菜が悩んでるのは進路のことだけじゃないよ」と聞かされ、気になった僕は放課後春菜に声をかけました。
「なんか悩んでるらしいね?」
「うん・・」
「進路のこと?」
「・・うん・・」
「僕でよければ相談にのるよ」
「え・・う、うん」
いつも元気な春菜が消え入りそうなくらいに元気がなくて僕はますます心配になり、このままほっとくのはマズイと思って、ファーストフードを食べたり、ゲーセンでプリクラを撮ったりして春菜を元気づけようとしました。でも、春菜は一向に元気になる気配がなく、プリクラを見た途端、ホロッと涙を流したのです。
僕は春菜を小さい頃はよく泣かしたけど、中学高校に入ってからは春菜の涙なんて見たことがなかったのでテンパってしまってなにがなんだかわからずとりあえず周りから春菜が泣いてるとわからないようにと春菜をガバッと抱きしめました。
「大丈夫?春菜」
「う・・うん」
抱きしめながら僕は自分の顔がカァッと熱くなるのを感じていました。それに春菜はすごくいいニオイがして気がどうにかなりそうでした。

その後、春菜はすぐに涙を拭いて、僕が家まで送っていくことになりました。その道中でも僕は春菜の涙といいニオイを何度となく思い出していました。
そうするうちに春菜の家の近くにある公園に着き、そこで春菜は足を止めました。
「ね、覚えてる?小さい時、ここでよく遊んだよね」
「ああ、そうだね。鬼ごっことかママゴトとかしたっけ」
そんな風に話す内、僕と春菜は自然と公園に入ってベンチに座りました。ふと辺りを見回すと日も暮れてきて、僕は変に今の状況を意識してしまってなんだかドキドキしてきました。
「・・・今までみたいにずっとこうしていられたらいいのにね」
急に春菜がつぶやきました。
「・・そ、そうだね」
「私ね、好きな人がいるんだ。小さい時からずっと一緒なんだけど恥ずかしくて告れなくて・・私の気持ちに気づいてくれてないみたいだし・・でもね、それでもいつも一緒にいてくれるの」
「え・・それって・・つまり・・?」
「うん、そういう事」
春菜は恥ずかしいのをごまかすように笑った後、スッと立ち上がりこう言った。
「OKなら、私を捕まえて?昔鬼ごっこでしてたみたいに」
「・・ああ」
とは言ったものの春菜はそこから動かずじっと僕を見ている。
「逃げないの?」
「うん、もう逃げない。自分の気持ちを伝える事からはさんざん逃げたから」
「そっか・・」
僕は力いっぱいに春菜を抱きしめた。僕も自分の気持ちに気づき始めていたから。だから、大切な人を離さないようにしっかりと抱きしめた。

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